はじめに
今回は、ラズベリーパイPicoと1チャンネルリレーを使って、LEDのON/OFFを制御する方法をご紹介します。リレーを使えば、高電圧の機器やLEDなどを安全に制御できます。
リレーとスイッチの違い
以前、スイッチの記事を書きました。リレーとスイッチの違いを簡単に説明します。
特徴 | スイッチ | リレー |
制御方法 | 手動 | 電気信号 |
用途 | 小電流制御 | 高電圧、高電流制御 |
反応速度 | 速い | やや遅い |
接点の動作 | 物理的 | 電磁的 |
リレーの最大の利点は、低電圧の制御信号で高電圧機器を安全に制御できる点です。スイッチは手動操作に適していますが、自動制御にはリレーが便利です。
交流(AC)と直流(DC)の制御について
リレーは、直流(DC)だけでなく交流(AC)の制御にも使用できます。例えば、家庭用の100Vや200Vの電化製品をPicoの低電圧信号で制御することが可能です。
注意点
・交流の制御は危険です。実施の際は、感電の危険がないように確実に絶縁してください。
・リレーの仕様(対応電圧、電流)を確認し、定格以上の負荷を接続しないようにしましょう。
リレー端子の説明
リレーには2つの端子グループがあります。
制御側(リレー本体の駆動用)
・DC+ : リレー駆動用の電源です(Picoの3.3Vまたは5Vに接続※) ※多くの場合、5Vです
・DC- : 電源のGND(PicoのGNDに接続)
・IN : リレーの制御信号(PicoのGPIOに接続)
負荷側(スイッチング用)
・NC(Normally Closed) :通常時にCOMと接続されている(リレーOFF時に電流が流れる)
・COM(Common) :負荷側の共通端子(電源と接続)
・NO(Normally Open) :通常時にCOMと切断されており、リレーON時に接続される(リレーONで電流が流れる)
リレーの動作原理
リレーは電磁石の原理を利用してスイッチを制御する装置です。以下のような仕組みで動作します。
IN端子にHigh信号が入ると、DC+とDC-間に電流が流れ、内部のコイル(電磁石)が励磁される
コイルの磁力によってスイッチが作動し、常時開いているNO端子とCOM端子が接続され、電流が流れる
同時にNC端子とCOM端子の接続が切断される
制御信号がLowになると、コイルの励磁が解除され、スイッチが元の状態に戻る
ラズベリーパイPicoなどのマイコンから制御信号(Low/High)がリレーのIN端子に送られる
配線
Picoからリレーをコントロールします
RaspberryPi Pico | リレー |
VSYS(39番) | DC+ |
GND(38番) | DC- |
GP4(6番) | IN |
LED(負荷) | リレー |
アノード | NO |
VBUS(40番) | COM |
カソードは抵抗を付けてGNDへ | NC(今回不使用) |

リレーを操作する
5秒毎にGPIOを操作します。「カチ」というリレーの音を聞いてみてください。
from machine import Pin
import time
relay = Pin(4, Pin.OUT) # GPIO4 をリレー制御に設定
while True:
relay.value(0) # リレーON(LED点灯)
print("Relay ON")
time.sleep(5)
relay.value(1) # リレーOFF(LED消灯)
print("Relay OFF")
time.sleep(5)
まとめ
今回の記事では、ラズベリーパイPicoと1チャンネルリレーを使って、LEDの制御を行いました。リレーを使用することで、高電圧機器の制御も安全に行うことができます。ぜひ挑戦してみてください!
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