はじめに
今年も残すところわずかとなりましたね。年末の恒例行事といえば大掃除。
今回は、掃除に役立つアイテムとその使い分け方法、さらには頑固な汚れに効くおすすめの業務用洗剤「ケミクール」をご紹介します。
重曹・セスキ炭酸ソーダ・クエン酸の使い分け
まずは、家庭でよく使われる重曹、セスキ炭酸ソーダ、クエン酸について。これらは成分が異なるため、汚れの種類に応じて使い分けると効率的です。
汚れの種類 | 主な用途 | 化学的特徴 | |
重曹 | 油汚れ、焦げ付き | キッチン周り、シンク、鍋底 | 弱アルカリ 油脂やタンパク質を中和・分解 |
セスキ炭酸ソーダ | 皮脂汚れ、軽い油汚れ | 換気扇、壁、布製品(軽度の汚れ) | 強めのアルカリ性 重曹より洗浄力が高い |
クエン酸 | 水垢、石鹸カス、臭い | 浴室、トイレ、蛇口の金属部分 | 酸性:アルカリ汚れを中和・分解 |
使い分けの根拠
使い分けには化学的な根拠があります。
重曹(炭酸水素ナトリウム、NaHCO3)
<化学的な特徴>
- 弱アルカリ性
水に溶けるとpH約8の弱アルカリ性溶液を形成します。これにより、酸性の汚れを中和する効果があります。 - 研磨効果:重曹の粉末は粒子が細かく、適度な硬さを持つため、研磨剤としても利用できます。
<汚れへの作用>
- 油汚れ
脂肪酸(油汚れの主成分)は酸性を帯びることが多く、重曹のアルカリ性により中和されて乳化します。これにより、汚れが浮き上がりやすくなります。 - 焦げ付き
焦げ付きの炭化物は頑固ですが、弱アルカリの効果で溶解し、研磨作用を併用することで除去可能です。
セスキ炭酸ソーダ(炭酸ナトリウム水和物, Na₂CO₃ · NaHCO₃)
<化学的な特徴>
- 中~強アルカリ性
水溶液のpHは約10と、重曹よりも強いアルカリ性を示します。このため、油汚れや皮脂汚れに対してより強力な分解力を発揮します。 - 界面活性作用
セスキ炭酸ソーダは油脂を部分的に乳化し、水と馴染ませる効果があります。
<汚れへの作用>
- 皮脂汚れ
脂は脂肪酸やたんぱく質からなるため、セスキのアルカリ性が脂肪酸をけん化(石鹸化)し、たんぱく質を分解します。 - 油汚れ
重曹よりも強いアルカリ性のため、酸性の油汚れに対して短時間で効果を発揮します。
クエン酸(C₆H₈O₇)
<化学的な特徴>
- 酸性
水溶液のpHは約3と、強めの酸性を示します。このため、アルカリ性の汚れを中和する効果があります。 - キレート作用
金属イオンと結合して、不溶性の汚れ(例:カルシウムやマグネシウム)を溶解する性質があります。
<汚れへの作用>
- 水垢(カルシウム化合物)
垢の主成分である炭酸カルシウム(CaCO₃)はアルカリ性です。クエン酸と反応して、水に溶けやすいクエン酸カルシウム(Ca(C₆H₆O₇)₂)を生成し、除去可能になります。 - 石鹸カス
石鹸カスに含まれる脂肪酸塩もアルカリ性であるため、クエン酸で中和し、分解します。
頑固な油汚れには「ケミクール」がおすすめ
ケミクールは強アルカリ性の業務用洗剤です。特にコンロや換気扇、なんなら自転車のチェーンの頑固な油汚れにも効果を発揮します。
強力すぎる洗浄力
強アルカリ性(pH13)で、油汚れの主成分である脂肪酸を分解する「けん化反応」を活用。これにより、家庭用洗剤では落としにくい頑固な油汚れや焦げ付きも短時間で効果を発揮します。絶対に素手で扱ってはいけません!
時短を実現する高効率
浸け置きやスプレー後、汚れが短時間で浮き上がるため、こする時間を大幅に削減。忙しい現場や年末大掃除など、限られた時間で多くの作業をこなすのに最適です。
業務用レベルのコストパフォーマンス
濃縮タイプなので、水で希釈して使えば少量でも広範囲をカバー可能。経済的で、大量の汚れを扱う業務現場でも重宝されています
使用時の注意点
ケミクールの効果を最大限に引き出すため、正しい使用方法を守ることが重要です。
- 希釈して使う
用途や汚れの程度に応じて、適切な濃度に薄めて使用します(例:5〜10倍希釈) - 保護具の着用
強アルカリ性なので、ゴム手袋や保護メガネを着用してください - すすぎを徹底
使用後は水ですすぎを十分に行い、残留洗剤を完全に取り除きましょう - 使用対象に注意
アルミ製品や塗装面、ゴム部品には適さない場合があります
まとめ
掃除をする際は、汚れに応じて適切な洗剤を利用すると時短になりますし、学校の勉強の成果を活用できて楽しいと思います。家庭の汚れの中で一番面倒な油汚れには「ケミクール」を強く、おすすめします。劇物に近い成分ですので取り扱いには十分注意していただきたいですが、一度この洗浄力を体験してしまうと普通の洗剤には戻れないと思います。ぜひお試しください。
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