はじめに
地中熱利用について勉強したことを覚書。最初に考えた人はとにかく天才。
地中熱とは?
地中熱とは、地表からおよそ200mまでの地中にある熱のことをいう。
このうち深さ10m以深の地中温度は季節にかかわらずほぼ一定。夏は外気温より冷たく、冬は暖かい。
この安定した熱エネルギーを地痛から取り出し、冷暖房や給湯、融雪などに利用することを「地中熱利用」と呼ぶ。
利用手段は「ヒートポンプシステム」「空気循環」「熱伝導」「水循環」「ヒートパイプ」に分けられる。
ヒートポンプシステム(36%)
クローズドループ方式:深度100m程度までの地中熱交換器とヒートポンプの間で水・不凍液などを循環させて熱を利用する。地下水を揚水しないため地盤沈下の恐れがない。
オープンループ方式:井戸から揚水した地下水をヒートポンプに通水させて熱を利用する。帯水層に蓄熱する方式もあり、地下水地盤環境への影響がない場合に適用できる。
利用場所:住宅・ビルなどの冷暖房、給湯、プール温浴施設の加温、農業施設の空調、路面の融雪・凍結防止
空気循環(26%)
地中に埋設した熱交換パイプ/ダクトに外気を導入・通気し、熱交換された空気を室内に取り込む
利用場所:住宅・ビルなどの保温、換気
熱伝導(10%)
土間床を介した利用法。地中から伝わる熱によって住宅内の保温を行う。
利用場所:住宅の保温
水循環(25%)
ヒートポンプではなく循環ポンプや水中ポンプを使用
ヒートパイプ(3%)
路面に埋設した放熱管を深さ15-20mの地中熱交換井に複数本設置し、放熱管内の冷媒が自然に蒸発と凝縮を繰り返すことで地中熱が路面に運ばれ、融雪・凍結防止を行う
利用場所:路面の融雪・凍結防止
そもそもヒートポンプとは
ヒートポンプは、地中熱を取り入れたり、排出したりするのに必要な機器。ヒートポンプは、冷媒という特殊な液体を使い、熱を移動させる。この技術により、少ないエネルギーで効率的に熱を移動させることができるため、通常のエアコンやガス暖房に比べて非常に省エネになる。
ヒートポンプには主に以下の2つのタイプがある
- 空気源ヒートポンプ: 空気中の熱を利用(エアコン)
ex.夏の冷房:外気35℃→冷媒7℃→吹き出し温度15℃→室外機の放熱50℃(外気より高い!)
→ヒートアイランド現象
ex.冬の暖房:外気5℃→冷媒45℃→吹き出し温度35℃→室外機の放熱-10℃ - 地中熱ヒートポンプ: 地中に蓄えられた熱を利用
前述の通り地中熱は外気に対し、夏:15-20℃低く、冬:10-15℃高い為、目標温度との差が少ない
→節電効果大
地中熱の課題
地中熱は多くの利点を持つ一方で、初期導入コストが高いことが課題とされている。地中に配管を埋設する工事が必要なため、導入に一定のスペースや予算が必要。
しかし、長期的には省エネ効果やメンテナンスコストの削減により、十分なコスト回収が見込めるらしい。
まとめ
地中熱は、持続可能なエネルギーとしての十分なポテンシャルを秘めている。
特に、ヒートポンプを活用した効率的な冷暖房システムは、環境負荷を大幅に低減し、ヒートアイランド現象の対策にも役に立つ。
もっとうまく使いたいですなぁ。
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